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小説 瑛次、神秘のアンチエイジング 3 [小説 瑛次、神秘のアンチエイジング]

岸田秀の意見は実にまっとうである。
 しかし「まっとう過ぎて」瑛次にはつまらない、どころか不快な気分にさえなる。
 まるで学校の教師に説教されているような。「常識をわきまえろ」「大人になれ」・・
 大人になることは重要だと瑛次も分かっている。
 「責任を持った行動」「自分で判断する」・・人間が社会の中で生きていくためには最低限必要なことが
「大人になる」ことでもある。
 しかし「分別を持て」とか「夢ばかり追うな」とか言われると、だんだんと胡散臭くなってくる。
 もちろん瑛次も分かっている。「分別のない人間」「夢ばかり追う人間」がどれだけ愚かで社会に害を及
ぼしているかを。ただ、どうだろう、そんな愚かな人間を指さして「あいつのようになりたいのか」と言う
大人たちは、そのついでに「分別だけで生きろ」「夢などいっさい持つな」と言っているように感じるのだ。
 そして岸田秀のエッセイにもそんな匂いを感じる。

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