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「アポロ」は踊りたくないと言うマニュエル・ルグリManuelLegris [愛とバレエ]

マニュエル・ルグリの魅力の一つは決して尊大にならないことだ。
やや高音の声で、常に相手に配慮した話し方をする。
真摯で誠実で厳格、そして謙虚・・そんな要素を併せ持った人間など滅多にいはしない。

そんなマニュエル・ルグリの言うことには、他の人間よりも遥かに説得力が宿る。
「ダンスマガジン」2004年8月号にルグリのインタヴューがあるのだが、
その中で〈バランシンの「アポロ」は絶対に踊りたくないバレエの一つだ〉という趣旨の発言をしている。
なぜならば、〈「アポロ」は自分に酔っている役だから〉というのだ。

これにはうなった。
なるほどルグリだな、と思った。
名作とされるバランシンの「アポロ」に対して、このような理由で「踊りたくない」とは。
「自分に酔わない」「酔いたくない」男、マニュエル・ルグリ。
真摯で誠実で厳格、そして謙虚・・マニュエル・ルグリは、そんな心を持つ世界でも稀な芸術家なのだ。

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