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「ランボー全詩集」宇佐美斉訳 ちくま文庫 [ルコ的読書]

口語訳でデモーニッシュな魅力には欠けるが、「ほぼ全作品」と「主要な手紙」が文庫に入っているのは貴重だ。
各ページの下部に丁寧な「注」があり、口語訳も含めてランボー初心者にはもってこいの本だと言える。
とりあえず、ランボーにしては平明な次のフレーズを紹介しよう。

時を打たない時計がある。
白い生き物の巣を抱えた窪みがある。
降りてゆく寺院と昇ってゆく湖がある。
雑木林の中に打ち棄てられた、あるいはリボンを飾って小道を駆け下る、小さな車がある。

                         アルチュール・ランボー 宇佐美斉訳
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コメント 4

ぎーこ

フランス語の授業でランボーの詩を読みました。
この詩は知りませんが、音楽との関係が深いので勉強になります。
by ぎーこ (2009-10-10 08:49) 

末尾ルコ(アルベール)

ぎーこ様

ランボーの詩は、原語では難しいです、ホントに。
訳文も、あのメロディやリズムに近づけるのはたいへんだと思います。

いつもおいしそうな記事、楽しませてもらっています。

これからも、よろしく!

                         末尾ルコ(アルベール)
by 末尾ルコ(アルベール) (2009-10-10 09:05) 

アールグレイ

ランボー、ヴェルレーヌなどとともに、フランスの有名な詩人ですよね。
鋭い感性の詩人の方ですね。
by アールグレイ (2009-10-10 11:25) 

末尾ルコ(アルベール)

アールグレイ様

そしてボードレール、マラルメらもいますね。

                          末尾ルコ(アルベール)
by 末尾ルコ(アルベール) (2009-10-11 00:04) 

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