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〈「言葉」による革命〉・・・ルーク・エバンスの「ドラキュラ・ゼロ」とヴァンパイヤ映画史。2014年10月30日 [「言葉」による革命]

●「ドラキュラ・ゼロ」という映画がありますね。
「ドラキュラ・ゼロ」はドラキュラのモデル的存在であるヴラド・ツェぺシュ
ヴァンパイヤ物の映画はモノクロ時代から常に制作されていますが、ヴラド・ツェぺシュそのものを主人公にした作品はさほど多くありません。
基本的に多くの正調ヴァンパイヤ映画はブラム・ストーカーの「吸血鬼ドラキュラ」がベースになっています。
そこでかつて人口に膾炙したのがクリストファー・リーのドラキュラ伯爵なんですが、今日びもうあまり観られなくなってますよね。
黒いマント、オールバックに撫でつけられた黒髪、血走った目、そして二本の鋭い犬牙・・・。
それ以前にFWムルナウのサイレント傑作「吸血鬼ノスフェラトゥ」があったけれど、トーキーの時代に無声映画を観る人たちが多くいるわけもなく、「ドラキュラ=クリストファー・リー」というイメージは長く続きました。
ムルナウ版の吸血鬼は丸坊主で前歯が尖っているという「奇怪」としか言いようのない外見。
現在多くの人が持つ、「ヴァンパイヤ=ダンディ+耽美」というイメージとは大きく隔たっています。
ムルナウの「吸血鬼ノスフェラトゥ」はサイレント時代、まだ「恐怖映画」などというジャンルに慣れてなかった人たちが映画館の暗闇で観た時にとても怖かっただろうな、というのは分かりますが、今現在テレビ画面で鑑賞して怖いかと言えば、わたしはまったく怖くなかった。
もちろん映画表現などの観点からすれば、今でも「凄いな」という部分は多いですが。

「ドラキュラ・ゼロ」は主役をルーク・エバンスが演じていて、「耽美」というよりも「男っぽい」魅力が垣間見られます。
これは歴史上の人物であるワラキア公国のヴラド・ツェぺシュのイメージに近づけようとしたのでしょう。

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