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〈「言葉」による革命〉・・・末尾ルコ「映画であなたの人生をより強靭に美しくする講座」~「信長協奏曲」はもちろん、「軍師官兵衛」さえも吹っ飛ぶ、映画「徳川家康」、萬屋錦之介の「敦盛」。2015年2月13日 [「言葉」による革命]

●末尾ルコ「映画であなたの人生をより強靭に美しくする講座」~「信長協奏曲」はもちろん、「軍師官兵衛」さえも吹っ飛ぶ、映画「徳川家康」、萬屋錦之介の「敦盛」。

「信長協奏曲」を観た後に「軍師官兵衛」を観ると、「わあ、なんてよくできたドラマなんだ!」と感じてしまう。
しかし「軍師官兵衛」の後に伊藤大輔監督の映画「徳川家康」を観ると、「わあ、やっぱりテレビドラマとぜんぜん違うわ!」となる。
NHK BSでも放送されましたが、映画「徳川家康」の桶狭間の合戦シーンが凄いんです。
細い道を縦長の隊列で行軍する今川義元の軍勢。
中村(萬屋)錦之介は様々な情報から「今だ!」と判断し、「敦盛」を歌い、舞う。
配下の者たちも楽を奏で、歌う。
錦之介の真骨頂。
ド迫力の「敦盛」!
日本人なら、これを観ずにどうする?
というところですが、萬屋錦之介の代表作となると、言わずと知れた内田吐夢監督の「宮本武蔵」シリーズです。
そしてこの「徳川家康」を含め、織田信長も何度となく演じている。
萬屋錦之介は背が高いわけではなく、体格的には宮本武蔵、織田信長タイプではない。
宮本武蔵はなかなかの巨躯であったという定説だし、フロイスの記録では織田信長も細身だけれど背は高い方だったという。
萬屋錦之介は体格的不利を、稀に見る凄まじい眼光と、ド迫力の台詞回し、そして全身から漲る希薄でプラスに転じさせ、宮本武蔵はもちろん、織田信長も「はまり役」と化させている。
伊藤大輔監督の「徳川家康」は本来シリーズ化される予定だったところ、不幸にも映画が斜陽産業となってしまった時期に制作されたもので、結局この一作しかできなかったのだという。
「いいものが分かる人が少なければ、いいものは作られなくなるんです」
この「徳川家康」、家康の子ども時代がストーリーの中心となっていて、やや冗漫に感じる時間もある。
しかし「錦之介=信長」、そして桶狭間の合戦シーン。
腑抜けたテレビドラマの時代劇とはまったく別の世界が展開される。
ぜひ一度鑑賞していただきたい。

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