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〈「言葉」による革命〉・・・末尾ルコ「映画であなたの人生をより強靭に美しくする講座」~こんなお粗末なシナリオのフランス映画もある!「(ほとんど)チャーミングな王子」。2015年2月14日 [「言葉」による革命]

●末尾ルコ「映画であなたの人生をより強靭に美しくする講座」~こんなお粗末なシナリオのフランス映画もある!「(ほとんど)チャーミングな王子」。

わたしはまあ、末尾ルコ設立「フランス映画とバレエ普及団←仮称」会長なのですが(近く動き出します、はい)、「フランス映画すべてが素晴らしい!」とまで強弁するつもりはない。
この前もフランス人の友人フェノン(仮名)が「フランス映画も台詞をベラベラ喋るだけの映画が割とあってね」とやんわり批判をしていた。
まあ登場人物がやたらと喋り捲る作品はフランス映画に少なくない。
そんな構成の中で、愉しめる作品とつまらない作品の両方がある。
そしてフランス映画界にはどうしても「映画=エンタテイメント」という以前に、「映画=芸術」という意識がある。
出来のいい芸術であれば素晴らしいけれど、出来の悪い芸術は退屈でしかありません。
とまあ、なぜこのような話を始めたのかと言えば、実にくだらないストーリーのフランス映画を観て、(ああ、フランスにもこんなのが)と久々に感心(?)したというのがありまして。
その名も「(ほとんど)チャーミングな王子」。
フランス語の現代も同様で、タイトルはなかなかおもしろそうなのですが。
監督がフィリップ・ルルーシュ、制作はリュック・ベッソン、主演はヴァンサン・ペレーズです。
リュック・ベッソンは2013年に監督したスカーレット・ヨハンソン主演「ルーシー」がフランス映画としては世界的に記録的大ヒットを果たした。
「ルーシー」はとてもよかったんですが、リュック・ベッソン「製作」印が付くと、往々にして大味な映画になることがある。
だからリュック・ベッソン「製作」印の映画はあまり観ないようにしてきたんですが、「(ほとんど)チャーミングな王子」はそうと知らずに観始めた。
大企業の社長(ヴァンサン・ペレーズ)がいる。
社長が尊大かつ傲慢で家族、娘の心情など顧みない人間だが、南仏でひらかれる娘の結婚式へ出席することになる。
フランスはゼネストの最中で、目的地までの道のりが遠いが、道中で娘と同じ名前のマリーという若い女性と出会う。
いきなり二人は惹かれ合う。
この「惹かれ合う」過程が実に説得力に欠けるのですが、さらにぶっ飛んだのが、そのマリーの父親が、「かつて主人公が切り捨てた地方向上の経営者」だったという展開。
まあ人間の人生、何が起こるかわからないので「絶対ないよ~!」とまでは言いませんが、観ていてほとんどズッコケそうになった。(笑)「お粗末なフランス映画もある」という一例を観たい方は(笑)、ぜひ「(ほとんど)チャーミングな王子」をば。

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