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〈「言葉」による革命〉・・・『驚異のはちきん小説!「はちきん」と呼ばれる女』その8。2015年5月31日 [『驚異のはちきん小説!「はちきん」と呼ばれる女』]

●『驚異のはちきん小説!「はちきん」と呼ばれる女』その8。

 そんなはちきんと丘メヒー子にも初体面の時間があった。
 場所は高知市五台山。「おらんく中岡慎太郎小学校」の一階、2年パパイヤ組教室内である。(いささか奇態な学校名、クラス名に感じるだろうが、当該小学校の教育方針などに関しては、いずれ語られる日が来るかもしれない)
 海の気配が漂う五台山の麓にある教室。小学2年にして、既に校内でややアウトロー的ポジションを確立していたはちきんは最後方で教室の出入り口に最も近い席へ座っていた。かねてから転校生の話を聞いていた生徒たちは、軽く息を呑みながら担任教諭の到着を待っていた。
「来た!来た!」
 間違いなくクラスで一番の目立ちたがり屋である田川猿蔵が廊下側の窓越しに観察しながら叫んだ。
「女じゃ、女じゃ!何じゃ、でっかい帽子かぶっちゅうぞ!こんまいにでっかい帽子かぶっちゅうぞ!ギャ~ッハッハッハアアア~~!!」

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