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●「『私は二歳』、『歌行燈』、『日本橋』~多様な山本富士子の世界」 [「言葉」による革命]

●「『私は二歳』、『歌行燈』、『日本橋』~多様な山本富士子の世界」

末尾ルコ「映画で知性と感性を鍛えるレッスン」

最近立て続けに、『私は二歳』、『歌行燈』、『日本橋』と山本富士子主演映画を観たのであるが、もちろん山本富士子はわたしよりもずっと前の世代であり、古い映画は邦洋問わず大好きだから山本富士子の作品もけっこう観ていたのだけれど、最近観た三本でその役の幅にあらためて感服している。
『私は二歳』、『歌行燈』、『日本橋』・・・これら3作ですべてまったく違うキャラクターを演じ分けている。
『私は二歳』では、何と「普通の団地妻」!
『歌行燈』では不本意ながら芸者の世界に入ったものの、宿命の恋に身も心も焼き尽くす女。
『日本橋』では芸者の世界に慣れ親しんでいるが、他の女たちとは一線を画しながらも、薄幸な雰囲気を漂わせる女。
まあしかし、どれもこれも「現在の女優たち」ができないような役ばかり。

『私は二歳』と『日本橋』は市川崑監督で、『歌行燈』は衣笠貞之助監督。
まあまあまあ、かえすがえすも、こうした偉大な日本映画の伝統がありながら、現在のスカタン作品連発のお粗末ぶりは・・・と名画を陶酔しながらも現状に対する怒りがこみ上げるのでありんす。プンプン。


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Labyrinth

佳いお年をお迎えください。
一年どうもありがとうございました。
by Labyrinth (2016-12-31 01:03) 

(。・_・。)2k

今年1年ありがとうございました
佳き新年をお迎えください
新年もよろしくお願いいたします

by (。・_・。)2k (2016-12-31 03:03) 

いっぷく

私も、映画が斜陽でテレビドラマが隆盛の時代に育ったので
山本というと「富士子」よりも「陽子」の方を連想してしまいます。
でも五社協定がなければまた違う人生だったでしょうね。
映画は、制作部門を解体して俳優の専属制をやめて、
大都市集中のシネコンになったことで
70年代までとは別のものになってしまったような感じがします。
私はワンマンオーナーの大映はイマイチ好きに
なれませんでしたが
明るく楽しい、でもときどきはっとさせられる
60年代の東宝映画が好きです。中には洋画こそ映画で
邦画は価値がないようなことを言う人がいるのですが、
たぶん野球と同じで、日本の目指すものは「プリミティブ」とか
「スモール」といった方向なので、うわべだけ比較できないと思っています。
by いっぷく (2016-12-31 03:21) 

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