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〈「言葉」による革命〉・・・●末尾ルコ「フィリップ・ロスの『父の遺産』の凄みと美しさ~親と子を描き、歴史上屈指の小説」。2018年1月25日 [「言葉」による革命]

●末尾ルコ「フィリップ・ロスの『父の遺産』の凄みと美しさ~親と子を描き、歴史上屈指の小説」。

末尾ルコ「読書で知性と感性を鍛えるレッスン」

あなたの「生涯ベスト」と言える本は何ですか?
どのくらいありますか?
「生涯ベスト」あるいは「座右の書」はどんどん増えてもいいし、以前そう思っていた本が読み返すと「そうでもない」と感じたら、減らしてもいい。
増やしたり減らしたりしながら、常に「活性化」している状態であることが大切です。

わたしにももちろん数多くの「生涯ベスト本」がありますが、比較的最近その中に入ったのが、

フィリップ・ロス『父の遺産』。

フィリップ・ロスは言うまでもなく、「現代最高の作家」の一人と目されており、しかし極めて明快で分かりやすくい作風が魅力です。
明快で分かりやすく、しかも縦横無尽で深い。
読んでいて、(さすが!)と感じますね。
そんなフィリップ・ロスの『父の遺産』は、自分の父親が脳腫瘍と診断され、凄まじい闘病から死に至るまでを描いた、強く、心掻き毟られる小説です。
ただ、『父の遺産』文庫版の解説にもあるように、ロスの小説は必ずしもフィクションとノンフィクションの境界が分かりやすい形で線引きされているわけではなく、「すべて事実」と決め付けて読んではならない。
けれど『父の遺産』、幸いにも自分の親が存命の方が読めば、「それだけで」どれだけ幸福か身に沁みて分かる。
親御さんを無くされている方が読めば、「もう一度正面から親の人生を見つめてみよう」という気持ちになる。

「親と子」を描き、文学史上屈指の小説です。

●原稿依頼などは、気軽にサイドバーのアドレスへご連絡を!


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