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●イーロン・マスク、前澤友作の「月旅行」や「引退」メイウェザーの日本試合構想よりも、『釣りバカ日誌8』に興味を持つべきである。 [「言葉」による革命]

●イーロン・マスク、前澤友作の「月旅行」や「引退」メイウェザーの日本試合構想よりも、『釣りバカ日誌8』に興味を持つべきである。

末尾ルコ「映画と社会観察で、知性と感性を鍛えるレッスン」

しかし、「月旅行」なんてものがイーロン・マスクや前澤友作らによって計画される世の中って、ますます「ロマン」が薄らいできますな。
別に月旅行に何らかの期待を抱いているわけではないけれど。
そしてこれはわたしの「好み」の問題かもしれないけれど、「実業家」にはあまり興味が持てないのである、子どもの頃からそう。
それにしても近年の実業家は、イーロン・マスクにしても前澤友作にしても、品性というものが。

格闘技界に目を転じてみれば、とうに「引退」しているはずのフロイド・メイウェザーが「日本で」試合をするのせんのと言っていて、しかも対戦相手の候補がマニー・パッキャオであるとかないとか。
わたしは最近はボクシングをほとんど観てないが、以前はWOWOWで放送される試合をかなりテレビ観戦していた。
その頃すでにフロイド・メイウェザーも活躍していたが、当時からさほど魅力的なボクサーだとは感じなかった。
フェリックス・トリニダード、ナジーム・ハメド、エリック・モラレス、オスカー・デラホーヤらの方が遥かに魅力的だった。
時を経て、メイウェザーだけがまだ試合をしていて、コナー・マグレガーとの茶番異種格闘技戦で巨額のギャラをせしめ、なにせボクシングの素人とボクシングルールで戦うなんていうのだから、笑える。
ところがこんな茶番が巨額のPPVを稼ぐものだから、「引退」しているはずのメイウェザーも周囲の銭ゲバも、(もっと、もっと)となるわけである。

あまりに空疎な「ビッグマネー」が世界を飛び交う。

さて、概ね「ビッグマネー」とは程遠いのが日本映画界であるが、そのような中に真実の人間の営みを感じられる瞬間もいくらでもあるのであって。
室井滋の「性愛感濃厚な表情」が秀逸な『釣りバカ日誌8』で、わたしは特にその後半のいくつかのシーンが心に沁みたのだった。
たとえば浜ちゃん(西田敏行)とスーさん(三國連太郎)が福島県の山間で渓流釣りをするジーン。
緑深い山の中、かしぶち哲郎のシンフォニックな音楽をバックに、二人が渓流に挑む姿を何の変哲もないようでいて、しかしとても丁寧に撮っている。
そのシーンにどこかドイツロマン主義的な薫りを感じたことも心に沁みた一因であるし、それ以上に、わたしの心には次の言葉が浮上した。

「人生の一瞬」

監督が意図していたか否かは別として、わたしはほかの多くの映画以上にそのシーンに、「人生の一瞬」を感じたのだ。

それは演出の問題だけでなく、何よりも「三國連太郎と西田敏行だからこそ」であるのかもしれない。
渓流釣りのシーン以外にも、たとえばエンディングクレジット近くの、もうストーリーは完結した後の二人の戯れのようなシーンにも、「人生の一瞬」が感じられたのである。

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いっぷく

そういえば、剛力彩芽の件は否定しましたね。さすがにもっと「上」狙えるだろうと冷静になったのでしょうか。否定すると逆に怪しいということもありますから、まだわかりませんけど。「彼女はオスカーのタレントだから」という否定の仕方が説得力なかったですね。オスカーごと買い取ることだってできるはずなのに。
しかしどうも堀江貴文がでてきたあたりから、なんか経済第一主義で嫌な時代になりましたね。堀江という人は、もしかしたら名刺交換したことあるかもしれませんが、エッジという会社で、ウエブデザインとかやっていたのです。それで、Linax系のプログラムの権利を買ったか開発したかして、ムックの付録として無料でばらまいたんです。たくさんのユーザーが使えば、アプリで儲けることができますから。でもWindowsの壁はあまりにも堅牢でびくともせず、それは失敗に終わったのですが、ライブドアの買収にはもちろん相当の資金がいりますから、それはどこから調達したのかわかりませんが、その「本業」だけでは無理だと思うんですね。その点、今回の前澤という人はファッション通販ZOZOTOWNという「本業」で1兆円企業にしてしまったのですから、そういう意味では堀江貴文よりもすごいのかもしれません。

>二人の戯れのようなシーンにも、「人生の一瞬」が感じられたのである。

それはきっと、役者として巧いだけでなく、西田敏行と三國連太郎の信頼関係もあるのではなないかと思います。もちろんプロですから、クリス・マルコフが、自分の耳をかじりとったブルラモスとタッグを組んだように、犬猿の仲でも仕事をすることはありますが、とくに西田敏行の三國連太郎に対する信頼はかたいですね。
本当は『男はつらいよ』の48作を抜くつもりだったのに、三國連太郎が「もう降りる」といったら、あっさりやめちゃいましたよね。それ以前に、三國連太郎が、加齢と、もともと釣りが好きではないので、釣りのロケを後半の7本ぐらいはしていないんですね。ハマちゃんとスーさんの釣りの映画なのに、実はスーさんはなんと終盤は釣りをしていなかったのです。そういう強引な作り方も、どうしても三國連太郎とやりたいという西田敏行の気持ちが現れていますね。
『釣りバカ』には、石田えりと三國連太郎の関係も含めて、やはり脚本を超えた役者の思いが感じられるので、プロレスと同じでそれがですぎてしまうと、不穏試合になったり、プロレスとしてはいい試合にならないわけですが、ギリギリのところでとどめているので、お茶やコーヒーの、苦くなる直前の最高のコクのところにあるのが、とくに石田えり時代の『釣りバカ』だったのです。

>彼は樹木希林に今年3月、骨への転移を告げられたそうです。

以前「全身がん」という言葉が独り歩きして、私も「そんなものはない」と記事に書いたことがあるのですが、たぶん「全身に多重癌がある」か「乳がんがリンパ節経由で全身に転移」しているか、どちらかで、たぶん後者だったと思うのですが、つまり「全身がん」ではなく「全身にがん」「全身・がん」ということだったと思うのですが、マスコミはセンセーショナルに騒ぐだけで、正確に書かないですね。文字で表現するときはちゃんと書かないと、話者の評価を下げかねませんので気をつけてほしいです。
『ゆうひが丘の総理大臣』の第21回のシーンは、私もマイナーなドラマ紹介しちゃったなと思ったのですが、ツイッターやフェイスブックを見る限り、「バズる」ところまではいきませんでしたが、制作に関わった方が「いいね」や「フォロー」をしてくださってホッとしました。と同時に昭和のドラマというのは、DVD化などされていることもありますが、昔のものでもちゃんと評価されているので、いい加減なレビューは書けないなとも思いました。

>「自分がひときわ偉くなった」と感じ、その知識を人に言って説教したくてたまらない・・・と、このような状態なのだと思います。 

なるほど。その「説教」は黙って受けなければならないのでしょうか。ひれとも、なんか反論してもいいのでしょうか。
by いっぷく (2018-09-20 04:52) 

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