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●「ニックネーム」は、時に魔術となり、時に暴力となる~例えば昭和プロレスラーのニックネーム、「ラテンの魔豹」「カナダの荒法師」、そして「美獣」。 [「言葉」による革命]

●「ニックネーム」は、時に魔術となり、時に暴力となる~例えば昭和プロレスラーのニックネーム、「ラテンの魔豹」「カナダの荒法師」、そして「美獣」。

末尾ルコ「プロレスと言語運用の話題で、知性と感性を鍛えるレッスン」

「ニックネーム」というのは時に明らかな「言葉の暴力」となり得るが、その件についてはまたいずれお話しよう。
例えばももいろクローバーZであれば、たまいしおりが「しおりん」、佐々木彩夏が「あーりん」と呼ばれているが、これらはシンプルに名前を変形させただけのもので、一般に多く使われているニックネームのタイプだと言えるだろう。
わたしはもうかなり前から活動名「末尾ルコ」、しかし地元では周囲に自分を「アルベール」と自己紹介している。
で、わたしを知っているほとんどの人が「アルベール」と呼ぶので、これは最早ニックネームと言うよりも本名に近いのではないかと、わたしとしても、「末尾ルコ」と「アルベール」がほぼ本名だと思い、日々の生活を送っている。
まあ事務的な書類には「アルベール」とか書くわけにはいかないが。
だから事務的なことって嫌いさ!

昭和に活躍したプロレスラーたちのニックネームが実にロマンティイシズム溢れ、ある時は典雅であると、これは「言葉」についてある程度以上のデリケートな感覚を持っているのなら誰しも感じるはずであるし、感じないのであれば、デリケートを掬い取る感覚が不足していると断言しよう。
人間、デリケートでなければなりません。

「デリケートな感覚を磨く」・・・これ、とても大切。

で、わたしが好きな昭和プロレスラーのニックネームをいくつか挙げてみよう。

「人間発電所」「MSGの帝王」ブルーノ・サンマルチノ
「鉄の爪」フリッツ・フォン・エリック
「モルモンの暗殺者」ドン・レオ・ジョナサン
「カナダの荒法師」ジン・キニスキー
「殺人狂」キラー・コワルスキー
「銀髪鬼」フレッド・ブラッシー
「白覆面の魔王」ザ・デストロイヤー
「黒い魔神」ボボ・ブラジル
「生傷男」ディック・ザ・ブルーザー
「美獣」ハーリー・レイス
「黒い呪術師」アブドーラ・ザ・ブッチャー
「ラテンの魔豹」ペドロ・モラレス
「不沈艦」スタン・ハンセン
「帝王」バーン・ガニア
「喧嘩番長」ディック・スレーター
「野生児」バディ・ロジャース

「鉄人」ルー・テーズ
「燃える闘魂」アントニオ猪木
「超新星」ボブ・バックランド

こうして眺めてみると、スタン・ハンセンの「浮沈艦」くらいまでかな、「名ニックネーム」が続出していたのは。
ニックネームだけでなく、映画や小説、歌のタイトルなどもそうだけれど、「いかにイマジネーションを刺激するか」が重要。
それだけではないけれど。
「カナダの荒法師」や「ラテンの魔豹」など、地域性を出してみるのも、上手くいけばイマジネーションにより広い翼を与える可能性もある。

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いっぷく

外国人レスラーは東スポの桜井康雄が大半は考え出したんじゃないでしょうか。
やはり「人間発電所」は最高の出来だとおもいます。次が「鉄の爪」かな。
「殺人鬼」キラー・カール・コックス、というのもありましたね。
たしかに日本プロレス時代はいつも凶器を持って陰湿な試合をしていたのでそんな感じもしましたが、第13回ワールドリーグで優勝した馬場を私服でリングに上ってきて祝福して、デストロイヤーに対してすら顔をこわばらせていた馬場がニコッと笑ってしまったので、そこからそのニックネームについては懐疑的になっていきました……
「人間台風」ゴリラ・モンスーン。「ゴリラ」と名乗っているのに「人間」というニックネームはどうなのかなとおもいます。巨獣台風とかにすればよかったのに……。でもモンスーンはメガネを掛けて知的なインタビューの受け答えをするので、あまり人間離れしてもイメージと違ってきてしまうかもしれませんが。
「密林王」ターザン・タイラー。山であてた山師みたいですね。石油王や金融王のようであまり怖さはかんじませんでした。それでも一応、ビル・ワットと組んで、最初にBIに土をつけてインタータッグをとったんですけどね。
「6時半の男」百田光雄、8時半の男のマネでしたが、まあまあですね。
「和製カーペンティア」寺西勇。自己主張の世界で、「和製〇〇」とか「△△2世」とかいう実在するレスラーの名が入ったニックネームはだめですね。余談ですが、文芸的にも、実在の人物の比喩はご法度であると、南坊義道さんの『現代創作入門』に書いてあります。ちなみに私は南坊さんの作家講座にも席をおいたのです。たとえば「彼女の容姿はまるで美空ひばりのようだ」という書き方はやめなさいといわれました。ですから、
「和製ハイフライヤーズ」井上・浜口。これも同様にだめだし、そもそもハイフライヤーズのグレッグ・ガニアとジム・ブランゼルのツープラトンのドロップキックは非常に綺麗で、豆タンクのような井上・浜口ではイメージが違うし、浜口は自分も認めるようにプロレスが下手なのに、どうしてハイフライヤーズなのか理解に苦しみます。
「若獅子」アントニオ猪木。日本プロレス時代の猪木としてはわりとよかったとおもいます。
「火の玉小僧」吉村道明、「滅私奉公」ともいわれましたが、タッグでヤラれ役を買って出るところがそういわれたんでしょうね。「小僧」というのはどうなのかなと思いますけど。
「関節技の鬼」藤原喜明。これもねえ、ひねりがないですね。相手の体をガタガタにするということで「人間電気椅子」とかだめですかね、人権時代のこのご時世ではだめですかね。
by いっぷく (2019-01-10 05:46) 

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