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●末尾ルコ かつて語った『疑惑』その3 [「言葉」による革命]

もちろん小津安二郎の映画には一本の作品に多くの名女優が出演していることが多かったが、しかしあくまで「一人の主演+何人かの名女優が脇を固める」スタイルだ。
ハリウッドでも「二大女優が対峙」という作品は容易には思いつかない。
傑作の誉れ高いリドリー・スコット監督の『テルマ&ルイーズ』は、スーザン・サランドンとジーナ・ローランズ共演だったが、これはバディムービーであって、「対峙」というスタイルではないし、サランドンとローランズは当時のハリウッドでは、「二大女優」というほどのポジションではなかっただろう。
そういう意味でも桃井かおり&岩下志麻対峙の『疑惑』は極めて貴重な作品なのだし、初めて観た時は二人のカッコよさにワクワクした。



タグ:アート 映画
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hana2022

「テルマ&ルイーズ」に出演したのは、ジーナ・デイヴィスでございます。彼女の出演作ではB級SF映画「ハエ男の恐怖」をクローネンバーグがリメイクした「ザ・フライ」。作品中に流れる独特のモノクロームなムード、気の毒だけれど、奇妙なユーモラス感。お気にいりの一作でした。
スーザン・サランドンとジーナ・デイヴィスのふたり、どちらも美貌ではないし、特に演技派でもないと思います。
ただし本作「テルマ&ルイーズ」の頃が、ふたりとも女優として脂がのっていた時期と言えるのかもしれません。
J・スペイダーが好きで借りた「ぼくの美しい人だから「は、原作の「WHITE PALACE」の方がずっと面白い内容であり興味深く読めました。
主人公の僕はそう豊かではない生まれながら、勉学に励み社会的にも成功者となる。
そこに描かれているのはホワイトプアと呼ばれる底辺に生きる人々の暮らしぶりや、消費の傾向。それに対して豊かな生活を送る人間は少しくらい高いものでも自然素材に拘ったり、名の知られていないものでも品質の良いものを求める。これは日本人の生活でも同じ傾向をもつものと考えられます。
サランドン演じるノーラは決して頭が悪いわけではないのに、これまで生きてきた環境から中年になってもハンバーチェーンのカウンターに立つ仕事しかできないでいた。結婚後すぐに亡くした美人で、育ちも学歴も言う事なしの妻を忘れてはいないのに、どうした訳かノーラに惹かれていってしまう僕と、それに反対をする周囲と言った構図の一作でした。
「テルマ&ルイーズ」は、ブラッド・ピットが注目をされた映画でしたね。
by hana2022 (2022-06-29 23:47) 

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