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スヴェトラーナの扉 [生と死のためのアート]

(なんて綺麗なんだ・・)
十分理解していたと思っていたスヴェトラーナの美しさだけれど、どうやらぼくはまだ全ての扉を開けていたわけではなかったようだ。
口に出さずにはいられなかった。
「ああ、スヴェトラーナ、なんて、ああ、なんて君は綺麗なんだろう」
そして彼女の鼻に唇で触れる。
「まあ、アルベール、こんなときになんてことを!イタズラな人ね!」
再び銃声が聞こえ、2人の上を弾丸がかすめる。
「愛を語らうのは後回しだね、スヴェトラーナ!まずはこの窮地を脱出するのが急務さ!」
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わたしの愛するカラヴァッジョ作品  「ホロフェルネスの首を切るユディト」その1 [ルコ的読書]

さて、わたしの特に愛するカラヴァッジョ作品について触れていこう。

まず「ホロフェルネスの首を切るユディト」。

首を着られるホロフェルネス。
ユディトの剣は、ホロフェルネスの首に半分以上食い込んでいるように見える。
ホロフェルネスの首からほとんど真っ直ぐに血が飛び出る。
このあからさまに真っ直ぐな、陳腐と言えなくもない「血」の表現が、カラヴァッジョの真骨頂の一端だ。
高尚な思想などまるでなさそうな、しかしその異常な感覚と圧倒的な画力に鑑賞者はグウの音も出ない。

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「素直になれなくて」第6話、瑛太と井川遥、上野樹里・・シーンの比較。吉高由里子「美丘」、共演者 勝地涼。 [吉高由里子]

井川遥と見応えあるシーンを演じた瑛太だが、第6話終盤、「今週の見せ場」として上野樹里との、まあ言わば「恋のやり取り」のようなシーンがあった。
それがまあ、観ていて体のそこかしこがムズムズするような恥ずかしいもので、例を挙げれば、

※ 「君の居場所はいつでも残しておくよ」「何平米くらい?」的会話。
※ すぐそばにいて話をしているのに瑛太から「がんばれ」というメールが来る的シーン など。

こうした「恥ずかし」シーンは「ほぼギャグ」というくらいまでやってくれなければ観ていられないものだが、このシーンは何とも中途半端で、要するに観ていられなかったわけだ。
最近で言えば、「ブザー・ビート」の北川景子くらい暴走してくれれば、笑って楽しく観ていられるというものなのだが。

で、井川遥とのシーンと比較すると、

夫ある井川遥と瑛太のような関係で別れ話になるというシチュエーションは非常に現実的な話であり、瑛太としてもきっちり感情を把握した上で演技で来たということだと思う。
対して「素直になれなくて」の上野樹里との関係は、いかにもドラマ用の取ってつけたような絵空事であり、演技プランを立てようにも立てられなかったということだろう。

まあ、あのようなシナリオで芝居しなければならない俳優が可哀相ではある。

吉高由里子「美丘」の追加共演者が一部発表されていた。
その一人が勝地涼だ。
勝地涼は言うまでもなく、映画経験・舞台経験とも豊富な本格的俳優。
こちらも吉高由里子との絡みは見ものとなるだろう。
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「水の中のつぼみ」 [末尾ルコ(アルベール)の成長する小さな映画批評]

「水の中のつぼみ」セリーヌ・シアマ監督

年上のセクシーなシンクロナイズドスウィマー(女)に思いを寄せる少女を中心に据え、抑制の効いた演出で「ティーンエイジの少女たち」の心身を描いていく。やはり出色は主人公の繊細な心理描写だ。

6点
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オールタイムベスト映画の試み 最高の俳優ロバート・デ・ニーロ [生と死のためのアート]

「気狂いピエロ」「奇跡の丘」「許されざる者」「タクシー・ドライバー」、そして「散り行く花」。

実は「タクシー・ドライバー」以外にもデ・ニーロ作品は挙げたいものが多い。
1973年の「ミーン・ストリート」から始まって、少なくとも90年代まで。
ロバート・デ・ニーロほど驚異的な作品群を残した俳優は、後にも先にもきっといない、出ない。
そしてわたしはまだ、デ・ニーロなら何かやってくれるのではと夢に見ている。
そう、デ・ニーロほど夢中になれる俳優も、後にも先にもきっといない、出ない。

「レイジング・ブル」までのデ・ニーロ。

「ミーン・ストリート」「ゴッドファーザーPART II」「タクシードライバー」
「1900年」「ディア・ハンター」「レイジング・ブル」

言葉を失う。
「一流」と呼ばれる俳優でも、生涯でこのうちの一本分の作品も残せやしない。

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