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「ジャコバン」という魔の音声   フランス革命という異常事態 [生と死のためのアート]

「日本語ではあり得ない音声」と書いたが、「ジャコバン」という言葉は必ずしもそうでないかもしれない。
「ジャコ」という音は日本語でももちろん「雑魚」という意味に通じるし、それへ「バン」が付くと「番傘」などという言葉を連想しなくもない。
つまり「ジャコバン」という音はフランス語でありながらフランス語らしからぬ音を持っているわけだ。
これが「シェルブール」だとか「クレルモンフェラン」だとかいう「いかにもフランス語」的な音を持つ言葉であれば印象はかなり違っただろう。
ではこの「ジャコバン」というエキゾティックである種「魔的」とも言える言葉は何から来ているのか?
それは「ジャコバン修道会」なのだ。

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「詩」の歓び  ボードレール「悪魔への連禱」 [ルコ的読書]

「詩集を持つこと」をお薦めした手前、ときどき素晴らしい詩を紹介するべきだと自覚しているわたし。
今日はいきなりメジャーですが、シャルル・ボードレールの詩を。
「悪魔への連禱」の一部です。


おお、汝、天使のなかで最も博識で最も美しい者、
運命に裏切られ、賛歌を奪われた神、

おお、悪魔よ、ぼくの長い悲惨を憐れんでくれ!

おお、追放された君主、どんなに虐げられ、負かされても
かならずさらに強くなって再起する汝

おお、悪魔よ、ぼくの長い悲惨を憐れんでくれ!

    
   佐藤朔訳  「フランス詩集」浅野晃編 白凰社

デカダンがボードレールの代名詞のようになっているけれど、ある意味健康的なまでの強さを持っていると思います。
わたしはこの詩を読んで、力が湧いてくるのです。

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君への本当の愛の短い言葉 変奏 2010年7月8日 [愛の景色]

もうぼくには逆らえない。
君の笑顔が何よりも価値を持ってしまったから。
タグ:アート 言葉
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圧倒的女優オーラに関して。「しゃべくり007 SP」の吉高由里子、綾瀬はるか。「おしゃれ」の仲里依紗。 [吉高由里子]

オーラという概念も使い方によっては妖しげでバカバカしいものになるが、やはり現に存在するのは間違いないと思われる。
ただそれは受け取り手の感度によって変わるものかもしれないが。
例えば「しゃべくり007 SP」の吉高由里子、綾瀬はるか、そして「おしゃれ」の仲里依紗を観て強烈な女優オーラを感じない人はいるだろうか。
凡百のテレビタレントとまったく違う光を発している姿。
特にバラエティ番組といういわば「有名人」というだけで実に「日常性」の延長でしかない「タレント」たちの中へ本物の「女優」が紛れ込んだ場合。
「まったく違う」「これが女優か」とため息の出るような、周囲を圧迫するオーラ。
では女優オーラはいかにして生まれるか。
もちろん仮説ではあるけれど、まずは「女優としてもって生まれたもの」。
それだけではない。
やはり「精神性」。
「女優」と名がついていても、「女優オーラ」のまったく感じられない「女優」たちもいる。
その点、吉高由里子、綾瀬はるか、仲里依紗は、現在「女優オーラ」を体感することのできる最適の「女優」たちだったと言える。

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戦車VSスヴェトラーナとアルベール   バ~ト~ン [生と死のためのアート]

「ああ、スヴェトラーナ!だって仕方ないじゃないか!君があまりに美しすぎて・・。ぼくは今、君の横顔から目を離すことなんてできないよ」
「まあアルベール!スウェーデン製の戦車が迫っているときにそんなことを言う人は世界であなただけよ!」
「いや、宇宙でぼくだけさ!」
「まあ!フフフ・・、そうかもしれないわね、アルベール」
「そうさ!もし宇宙大戦争が起こっても、ぼくは君を見つめ続けるに違いないよ!」
「ああ、あなたって何て人なの、アルベール!」
しかしそのとき豪放が轟いた。
戦車がついに砲撃を始めたのだ。
「うわあッ!!」
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宮本武蔵は人気者?   「宮本武蔵『五輪書』の哲学」前田英樹 岩波書店 [ルコ的読書]

「宮本武蔵『五輪書』の哲学」(前田英樹著)は実に興味深い本で内容についてはまた改めて取り上げたいが、宮本武蔵とは関係ないけれどおもしろい文章があったので紹介してみたい。


ただ、宮本武蔵という人自身は、『五輪書』を読めば読むほど、人気スターになるべき性質をまるで欠いた、根っから愛相のない人だったということがよくわかる。そのことはこれから追々お話しなくてはならないでしょう。しかしこれは、彼がつまらない人間だったという意味では少しもありません。つまらないのは、人気スターのほうでしょう。

        「宮本武蔵『五輪書』の哲学」前田英樹 岩波書店

実にいい言葉だと思いません?
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