SSブログ

*ああ幼稚、「大名倒産」、そして子役問題。 [末尾ルコ(アルベール)より]

「大名倒産」という映画、杉咲花がヒロインだし、浅野忠信、松山ケンイチ、石橋蓮司らが出ているので観てみたら、これがもう、金がかかった豪華キャストの「月曜ドラマランド」というレベル。言葉っかいや所作など、時代劇の要素ほぼゼロ。「今」の日本人に合わせようとしているのか、かなり低年齢の観客からを見越していたのか、いずれにしても幼稚としか言いのないクオリティでとても残念。
正直なところ、冒頭子役が「テレビドラマ演技」をした時点で嫌な予感はしたのだが、それがバッチリ当たってしまった。
ぼくは子役のクサいワザトラ演技を見ただけで鑑賞意欲を無くしてしまうのだが、比べるのも虚しいけれど、「子役のあるべき演技」を知りたい方は、フランソワ・トリュフォーの「大人は判ってくれない」やカサヴェテスの「こわれゆく女」を観てほしい。

nice!(10)  コメント(2) 
共通テーマ:アート

*「こわれゆく女」、クライマックスの圧倒的美。 [末尾ルコ(アルベール)より]

「こわれゆく女」のピーター・フォーク。その怒り方、ぶち切れ方がまた凄い。妻の狂気がこの映画最大のテーマだが、夫ピーター・フォークも「狂気」と見まがうばかりの凄みが爆発している。
ジーナ・ローランズとピーター・フォークの演技に圧倒されっ放しでクライマックスを迎えるが、そこでこそこの作品が誇る、あまりに映画的なとてつもないシーンが待ち受けている。 
深まる一方の妻の精神状態は遂に「入院」を家族に決断させる。そして約半年後、退院の日に夫は大勢の人を集めてパーティーを開催しようとする。母親の猛反対にあい客たちには帰ってもらい、家族と医者などで小規模な退院祝いをするのだが、妻が姿を見せてから、(治っているのか、そうではないのか、いつ爆発するのか)という疑惑が類い稀な緊迫感を醸成し、しかも小さなテーブルを囲んだ人たちの姿があたかも聖書をテーマにした優れた絵画のような、しかし映画ならではの驚くべき美を湛えている。
nice!(17)  コメント(1) 
共通テーマ:アート

*「こわれゆく女」に「刑事コロンボ」のピーター・フォークはいない。 [末尾ルコ(アルベール)より]

ピーター・フォークは日本ではなにせ「刑事コロンボ」だし、それは諸外国でも同じことかもしれないけれど、ただ少なくとも米国などでは映画俳優としてのピーター・フォークを同時に連想する人も多かろうし、もちろん小池朝雄の声を連想する人は普通はいない。それはクリント・イーストウッドにおける山田康雄も同様で、声優たちの名人芸に対しては大いにリスペクトすべきとしても、これら外国人俳優たちの本来の声を知っている身としては、どうしても違和感は禁じえないのである。
さてそんなピーター・フォーク。「こわれゆく女」のあまりに荒ぶるピーター・フォーク。どうやら彼は妻を愛しているらしい。しかし怒る、怒る、時にぶち切れる。
nice!(11)  コメント(0) 
共通テーマ:アート

*桐野夏生の「ファイヤーボール・ブルース」を読んだ理由。 [末尾ルコ(アルベール)より]

桐野夏生の「ファイヤーボール・ブルース」を読んだのは女子プロレスが題材だったからで、要するにプロレスをどう描いているかという興味ですわ。まあぼくが10代の頃は「プロレス」というだけで端から馬鹿にする、舐めきってくれる御仁が多かった。「ショー」だの「八百長」だの言ってね。1980年に村松友視の「私、プロレスの見方です」が出て状況は少し変わったけれど、それはあくまでプロレスファンの間での話です。プロレスを馬鹿にしてる連中はそんな本読まないもんね。

nice!(14)  コメント(2) 
共通テーマ:アート

*猪木vsランバージャックは好試合だ。 [末尾ルコ(アルベール)より]

You Tubeで、フィラデルフィアで行われた異種格闘技戦、アントニオ猪木vsランバージャック・ジョニー・リーを観ることができたけど、なかなかおもしろかった。ランバージャックは猪木vsモンスターマが好評だったことにより送られた「プロ空手第2の刺客」。こうした異種格闘技戦をリアルタイムで観ていた当時のぼくの印象は、「ランバージャックはモンスターマンよりかなり落ちる」だったが、今観るとどうしてどうして、ランバージャックの動きは迫力十分だし、試合そのものもモンスターマン戦より充実しているように感じた。
まあでもプロレスって難しいよね。最近桐野夏生の「ファイヤーボール・ブルース」を読んだんですが、これは女子プロレスが題材。
nice!(9)  コメント(0) 
共通テーマ:アート

*「こわれゆく女」、あまりに凄まじいジーナ・ローランズの狂気。 [末尾ルコ(アルベール)より]

ジョン・カサヴェテス監督「こわれゆく女」。怖い映画だ。こけ脅しでなく、本当に怖い。人間心理の怖さ、人間存在の怖さ。
一組の夫婦。妻はジーナ・ローランズ、夫はピーター・フォーク。とにかくこの二人の演技か凄まじい。「こわれゆく女」のタイトル通り、心を病んだ妻はが加速度的に狂気の段階まで進んでいく。(本当に狂っているのか?)と錯覚しそうになるほどの緊迫した演技にこちらの表情も思わず歪む。
映画サイトなどでは「妻の異常性に苦しめられる夫」的紹介をされることが多いが、それは間違いはないにしても、ピーター・フォーク演じる夫もかなりまともじゃない。続く

nice!(13)  コメント(0) 
共通テーマ:アート

*偉大な男 ジョン・カサヴェテス。 [末尾ルコ(アルベール)より]

ジョン・カサヴェテスの存在を初めて認識したのはブライアン・デ・パルマ監督の「フューリー」だった。ぼくにとってデ・パルマ最高傑作である「フューリー」で悪役だったカサヴェテスのインパクトは強烈だった。最近「特攻大作戦」という映画を観たけれど、30代俳優としてのカサヴェテスも強烈な存在感だ。
しかしここでぼくが語りたいのは久々に観たカサヴェテス監督の「こわれゆく女」のこと。現代米国映画の大傑作の一本との評価も定着している同作だが、いやはやさすがに凄まじい。続く
nice!(14)  コメント(0) 
共通テーマ:アート

*美ヒヨコ最近の格闘技ライフ。 [末尾ルコ(アルベール)より]

オリンピックや高校野球を含め、現在スポーツ番組は一切見ないぼくですが、格闘技系はぼちぼち観てます。BS11に「ワールドファイトCLIP!」という番組があって、総合格闘技やキックなどの大会をダイジェストで紹介している。これはU-NEXTか提供しているU-NEXTの格闘技番組を宣伝して契約へ繋げるための番組だけど、観てると現在の格闘技界の流れがまあまあわかる。あとはYou Tube中心ですな。BS朝日で今の新日本プロレス放送してるけど、ぼくには昭和のプロレスの方がずっとおもしろいんですわ。
nice!(13)  コメント(1) 
共通テーマ:アート

*「めぐり逢う朝」を鑑賞する豊かな時間。 [末尾ルコ(アルベール)より]

「めぐり逢う朝」でマラン・マレとサント・コロンブの音楽がじっくり聴ける。これはお得だ。
この映画は、九一年ルイ・デリュック賞、九二年セザール賞主要七部門(作品、監督、助演女優、撮影、音楽、録音、衣装デザイン)受賞している。ぶっちゃけ凄い。
日本で普通に暮らしていたら生涯一度も耳にすることがないかもしれないヴィオラ・ダ・ガンバの音色に耳を傾ける時間は、慌ただしい生活の中に特別な悦びを与えてくれるに違いない。
「めぐり逢う朝」は聖性と世俗のせめぎ合いを描いた作品でもある。そしてぼくは、パスカル・キニャールがやたら読みたくなっている。
nice!(11)  コメント(1) 
共通テーマ:アート

*うたちゃんが長州力を大絶賛! [末尾ルコ(アルベール)より]

いやいやいや、うたちゃん(母)が格闘技やプロレスと相性がいいというお話は何度かしてますが、長州力を見てもらった時が最大盛り上がった。うたちゃん曰く、「顔がえいねえ!」「カワイイー!!」「髪がキレイー!」「リーダーシップがあるねえ」などなど、もう大絶賛ですわ。男に対して目の肥えたうたちゃんをこれだけ盛り上げるとは、さすがかつてジャンルを超えたブームを起こした長州力である。うん、今の長州は目に触れないようにしよう。

nice!(15)  コメント(1) 
共通テーマ:アート