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*麗しの予定調和、「ローズメイカー 奇跡のバラ」。 [末尾ルコ(アルベール)より]

たとえば、カトリーヌ・フロ「ローズメイカー 奇跡のバラ」。傾いた自らのバラ園を立て直すべく、新な品種作りに奮闘するカトリーヌ・フロと仲間たち。仲間のうちの三人は新入社員募集に応募してきた素人で、しかもその中の一人はけっこうな犯罪歴のある少年だ。となれば、その少年がストーリーの鍵を握るのは明らかというベタな展開。ベタとは予定調和とも言い換えられるが、この世界には「よき予定調和」と「悪しき予定調和」がある。「よきベタ」と「悪しきベタ」がある。ロ「ローズメイカー 奇跡のバラ」は当然前者である。
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*人情物が沁みる次期。 [末尾ルコ(アルベール)より]

10代、20代、あるいはもっとかな。人情物的映画が苦手だったし、バカにしていたところがあった。若気のいたり。過激な映画やアートフィルムを最上位に置いてたんです。もちろんそれらは今でも好きだけど、このところもう俄然浮上してきているのが人情物。特に三カ月の入院の後は、人情物が沁みる、沁みる。だから今若い人たちも、「今いい」と感じているものだけが映画と思ってはいけません。10年後にはその好みはきっと変わる。他に大事な映画ができるようになる。たとえば、「日本映画はアニメだけ観てりゃいい」なんて信じている人がいるとしたら、今はまだ実写映画の価値、魅惑が理解できてないだけなんです。でもそろそろ実写映画も観始めるべきです、はい。
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