架空情景

(木村)太郎の背筋に氷点下が走る。(なにい、このおれが長野翼ごときに気圧されているというのかあっ?)
ここで引いてはダメだ・・。ここで引いてはおれに未来はない。
「いやね、翼くん。あのさ」
「翼くんじゃないでしょう。言い直しなさい。な・が・の・さま・・でしょう?」
「長野様?・・翼くん、きみ、それちょっとおかしいよ。だって・・」
「こら!長野様と言いなさい!」
翼は太郎の方を向かずデスクを叩いた。
「あ、はい、長野様!」