岡見勇信はUFCスタイルファイトのベテランと言ってもいいが、今回のチェール・ソネン戦は今までで最も見せ場のない試合だった。
両者ともまるで「できれば無難に済ませたい」と思っているような煮え切らない展開で岡見の判定負け。
もちろんそんなことは思っていないだろうが、観戦者にそのように見えてしまうのではプロとして敗北だ。
いつもなら激突のない展開にブーイングを浴びせる観客たちだが、ブーイングさえあまり聞こえないという盛り上がりのなさだった。
岡見の復活に期待したい。


吉田善行はアンソニー・ジョンソンに対して何もできなかった。
41秒、ジョンソンの決定的な右で力なく崩れ落ちる吉田。
しかし不思議なもので、「じゃあ、普段の吉田はどんなファイターだ」と逆に興味が湧いてきたりする。

ケイン・ベラスケスとベン・ロスウェルの試合は独特の雰囲気に満ちていた。
こわもてのロスウェルがベラスケスに完全にコントロールされっ放しなのだ。
最近のプロのリングで、一方がこれだけ延々とやられ続ける展開は珍しい。
一方的であれば、普通は秒殺なのだが。
勝ち目のないまま、攻撃され続けるロスウェルを見ながら勇気を与えられたかと言えば、特にそんなことはなかった。(う~ん)