松たか子の顔。
大きな目。
ややいびつな輪郭と造作。
それがこの作品では意外な効果となって鑑賞者の胸に迫る。
最も大切な存在を失い、ほぼ崩壊したはずの精神の均衡は、「殺人者」に対する復讐への執念のみにより辛うじて形態を保っている。
生まれつきのはずの松たか子の顔の造作。
美人だがややいびつ。
少し歪んだ顔が復讐と奈落のような哀しみを見事に表現している。
映画は大きなスクリーンに巨大な顔が映る芸術だから。