ある日、エースコック「小海老天そば」を、満ち足りた、とは言えないまでも、充実した気分で味わっていたその時のことだった。
麺の間に垣間見える小さな小さなエビちゃんと目が合ってしまったのだ。
エビちゃんと言ってもモデルで最近結婚し、女優業を試みたけれどとても無理で、バラエティタレントとしても押切もえのように図々しくなれず、結局このまま消えてしまうしかないのかというシチュエーションに立っているエビちゃん(蛯原友里)ではなく、本物の小さなエビちゃんである、念のため。
あまりに小さな小エビちゃんの目は黒くつぶらで、何の邪気も含まれていない。
そしてお湯を注ぐまで乾燥していたとは思えない瑞々(みずみず)しい瞳をしているのである。
わたしはつい小エビちゃんに問うてみた。
「どうしてお前はそんなに純粋な瞳をしてるのだえ?