深川栄洋監督の「白夜行」。
「銀残し」による映像は、腹に堪えると錯覚するほどの重さを持ち、それはまさに映画館でしか感じることのできない体験と言える。
そう、DVDなどでは「銀残し」映像の凄みは感得できない。
重くのしかかって来る映像。
人間を、現実の人間よりもより生々しく見せつける。
醜悪で卑賤な精神性を、顔面のアップを見せるだけでえげつなく抽出して行く。
予断に満ちた人間性の抉り出しよう、ケレンみたっぷりの描きかたは、優秀な監督がやると、とても楽しい。