ぼくは今朝、蕎麦を食べただろう。今朝と言っても、きっとこの文章が人の目に触れた日の朝ではない。それよりも少しだけ以前の朝。
ぼくは朝、蕎麦を食べた。
ところがぼくは蕎麦を食べた朝にこの文章を書き始めたけれど、途中で中断したんだ。忙しい朝だったもので。
蕎麦を食べた朝に書いたのは「以前の話。」という部分まで。
その後は翌日の朝に書いている。
そうすると前日のことを明確に覚えていないのだな。
蕎麦を食べながら頭に浮かんで来たことを書こうと思っていたのだけれど、一体何が頭に浮かんでいたのだろう、特定できないんだ。
蕎麦を食べた朝にぼくが書こうと思っていたことはどこへ行ったのだろう。
もちろん愛する人のことはいつでも心にあるのだけれど。