記録を見ずに記憶に頼る。
「本」「書籍」となると映画よりもさらに難しい。オールタイムベストを選ぶことなど。
けれど記憶を手繰ってみよう。
「本」「書籍」「読書」という言葉でまず心に浮かぶのがフランス文学の数々。
ある時期わたしの精神はフランス文学の中にどっぷり浸った。あるいはこうも言い換えられる、フランス文学しかわたしの精神を委ねられるものはなかったと。
ユイスマンス、ネルヴァル、リラダン、もちろんランボー、ボードレール・・・。
それらは「読書」などという大人しげな形容では表現することなどできない。
ほとんど「啓示」と言うべき出来事としてわたしの精神に刻印される。