「わたしのモンローウォークどうですか?」と腰を振りながら山崎夕貴というアナウンサーが歩く。
その姿をひと際醜悪に感じるほど「マリリン 7日間の恋」のミシェル・ウィリアムズは素晴らしかった。
予想以上だった。
映画そのものも予想以上だった。

「金がかかっていないのにダイナミックそのもの」

一流映画はたいがいそうだ。

「そこそこ金がかかっているのにダイナミックさが微塵もない」

二流、三流映画、そして失敗作はそうなる。

「マリリン 7日間の恋」は、並ぶ者なき映画スター。
「歴史上の人物」でさえあるマリリン・モンローの、常に「崩壊」を予感させるナーバスな心と、英国の役者たちとの軋轢を静かにエキサイティングに描き出す。