わたしかつてはイザベル・アジャニーの熱烈なファンでして、その次くらいにジュリー・デルピーが来るのかな。
まあデルピーのファンにもなりました。
ジュリー・デルピーはアメリカへ拠点を移したことで、アジャニーはある時期からその圧倒的なカリスマ性に陰りが見えて来ましたね。
それでこの二人のフランス女優のことをしばらく忘れていたんだけれど、最近あらためて〈凄い!〉と自分の中で再評価しているんです。
デルピーは監督主演の「血の伯爵夫人」、アジャニーは久々にアンドレ・テシネ監督「ブロンテ姉妹」を観返したことで。

「ブロンテ姉妹」はかつて初めて観た時から大好きな映画だけれど、今観ても素晴らしいクオリティですわ。
ワンカットワンカットの構図、カラー配分、含意など、ゾクゾクするようなヴォルテージが最初から終わりまで持続する。
ちなみにエミリー・ブロンテがイザベル・アジャニー、シャーロット・ブロンテがマリ・フランス・ピジェ、アン・ブロンテがイザベル・ユペールです。
この映画撮影時ではユペールはまだ洗練されてないですね。
その後ユペールは驚くべき持続的成長を遂げ、歴史的大女優と化する。
マリ・フランス・ピジェは残念ながらもう他界しています。
イザベル・アジャニーは全盛期が凄過ぎたね。
でも実は数年前セザール賞主演女優賞を獲得し、復活を遂げているんです。

吉高由里子とか綾野剛とか、「ブロンテ姉妹」のようなクオリティの映画へ出る日を期待しているぜ!