わたしはかつて浜口京子は女子プロレスラーになるのだろうと思っていた。
父親のアニマル浜口は言わずと知れた有名プロレスラーだったし、アマレスを始めた時も「女子プロレスラーへの布石」だと思っていた。
そう思っていた当時は北斗晶などが全盛期で「リングの宝塚」ではなく「男子プロレス以上にエキサイティングなエンターテイメント」として大いに盛り上がっていた。
けれど浜口親子は結局「プロレス」の道を選択しなかった。
何という賢明な判断だろう。
その後の女子プロレスの崩れ落ちるような衰退を見れば、つくづくそう感じる。
プロレスの道を選ばなかった浜口京子は極端なマイナースポーツだった女子レスリングにスポットが当たるための大きな牽引車となり、「国民的アスリート」の一人となった。