ロシアで開かれた第1回アブソリュート大会。
UFCを模して金網の中で開かれたその格闘技は、いくつかの試合がいまだに強烈な印象として私の心に刻まれている。
イゴール・ボブチャンチンVSアジウソン・リマ。
当時日本の一部格闘技雑誌で「マウントポジションは絶対に返せない」と今考えれば極めて非科学的な主張が成されていた。
確かに多くの日本人にとって初めて見るブラジリアン柔術のタックル&マウントというパターンに、柔術対策のまったくできていないファイターたちがいとも簡単に掴まって行く様子を見ればそう思えなくもなかったけれど。
とりわけ打撃系のファイターにとって、タックル&マウントというパターンは分かっていても防ぎ難い必然のように見えた。
ところがイゴール・ボブチャンチンVSアジウソン・リマはそのような展開にはならない。