架空情景

長野翼は苛立たしげに木村太郎の方を向いた。
(まったくこの男は間抜けなときに声をかけてくる。こんな男と革命団を作ろうなんて考えたわたしが馬鹿だったのか・・)
「何?木村。たいした用事じゃなかったら・・」
太郎は顎で入口の方を指していた。
そう言えば足音がする。
自信に満ちた、いささか押しつけがましいような足音が・・。
(アッ!しまった!!安藤優子か?)
翼はドアの方を向いた。