覚えている人も多いと思う。
あれは「スポーツ」そのものを愚弄する行為だった。
イチローがMLBへ行った年、元阪神の新庄もニューヨーク・メッツにいた。

最近でこそイチローは、過激な発言を含め、かなりおもしろい言動をテレビカメラの前でもするようになったが、メジャーへ行った当初は完全に壁の中から出ない印象があった。
奥深い発言ももちろんあったが、ほとんどは優等生的発言で、インタヴューなどはおもしろみには欠けた。
新庄はプレーで魅せることのできない分、日本人記者を相手に連日「受け狙い」の言動をする。
そしてスポーツ新聞だけでなく、テレビのスポーツコーナーでは「イチロー・新庄」などと並べ、その年MVPを獲得してMLBに衝撃を与えたイチローと「同格の」プレーヤーであるかのように話題として取り上げる。

わたしは新庄を特に嫌いではない。
しかしこのときのテレビやスポーツマスコミの扱いは、「メディア、ジャーナリズム」の名を汚す愚劣な行いだったと思っている。