そして新年、元日ということで、やはり世界文学史上の「奇蹟」アルチュール・ランボー。
しかもあまりにも有名な「永遠」です。
ゴダールの「気狂いピエロ」で効果的に使われているので、映画ファンの間でもよく知られています。
ただ、有名ではあるけれど、もちろん「初めて」という方もいるでしょう。
多くの日本語訳がありますが、ここは堀口大學訳で。
ぜひ何度も読んでほしいものです。


「永遠」

もう一度探し出したぞ。
何を?永遠を。
それは太陽と番(つが)った
海だ。

待ち受けている魂よ、
一緒につぶやこうよ、
空しい夜と烈火の昼の
切ない思いを。

人間的な願望(ねがい)から
人並みのあこがれから、
魂よ、つまりお前は脱却し、
そして自由に飛ぶという・・。

絶対に希望はないぞ、
希いの筋も許されぬ。
学問と我慢がやっと許してもらえるだけで・・。
刑罰だけが確実で。

熱き血潮のやわ肌よ、
そなたの情熱によってのみ
義務も苦もなく
激昂(たかぶ)るよ。

もう一度さがし出したぞ。
何を?永遠を。
それは太陽と番(つが)った
海だ。

      アルチュール・ランボー 堀口大學訳