また鐘の音が聴こえてきた。
ぼくはもっとスヴェトラーナの頬を押したかったし、もっとスヴェトラーナにぼくの頬を押してもらいたかったけれど、「聖ルチアの鐘」の音が気になったんだ。
「ねえスヴェトラーナ・・、聖ルチアの鐘の音は聴こえる。でも近くに教会はないという。どういうことなんだい?」
「シッ!」
ぼくの唇に人差し指を当てるスヴェトラーナ。
(このままずっと指を当て続けていてほしい・・)
そう思ったけれど、つとめて冷静に振る舞おうとした。
「よく聴いてアルベール、あの鐘の音、何か普通と違うんじゃない?」
ぼくはスヴェトラーナの人差し指に軽くキスをしながら耳をそばだてた・・。

(つづく ええ、そうです。わたし自身、書きながらあきれているのです 美苦笑)