ぼくはスヴェトラーナにつねられた胸の少しだけ熱くなった小さな部分の感触を楽しみながら言う。
「胸に熱が残ったよ。これは君の愛なの?」
「まあアルベール、いつからあなたって、そんなナマ言うようになったの?」
「おお、スヴェトラーナ、もちろん君と出会ってからさ!」
「またそんなナマを言う、ああアルベール!あなたはいったい誰なの?」
「ぼくは君のアルベールじゃないか、スヴェトラーナ。そんなこと忘れたのかい?」
「わたしの・・アルベール」
スヴェトラーナは少しだけ下を向く。
遠くで気笛の音が輪を描いている。
その音が翳となり、スヴェトラーナの表情の上に降りてくる。