ところでユディトの物語をご存じだろうか?
これは旧約聖書外典「ユディト記」の中の物語なのだが歴史的事実かどうかというと、「違うだろう」という説が有力になるようだ。
かと言って、神話や聖書にまつわる話を「単なる作り話・迷信」などというスタンスも実につまらない。
長い年月の渡って伝わってきた話には、そのような「話」が生まれる「何か」があったと考える方が理にかなっているし、それよりも何よりも、わたしは「神話」や「聖人伝」の美しさに魅了されるのだ。
その「美しさ」は人間の魂の深層にまで食い込んで来るもので、多くは「恐怖」をも伴う。
そして「美」は「恐怖」を伴っていてほしいというのがわたしの感覚なのだ。

次回ユディトの物語について簡単に触れよう。