「カンヌの結果見た?」とフェノン(仮名)。
「見た見た、もちろん」とわたし。
「タイの映画がパルムドールをとった」
「そうだね。カンヌの選考には信頼置いてる?」
フェノンは「とんでもない」という勢いで「ノ~ン」と即座に言った。
「え、そうなの?」
「今年タイ映画を選ぶなんて、いかにもカンヌらしい」
「あ、なるほどね」
「タイは物凄く政情不安定だから、パルムドールを与えると、タイも注目されるしカンヌも注目される」
「それがカンヌの選び方なのかな?」
「まあそうだね」