列車の中で出会ったジュリアン(ジャン=ルイ・トランティニアン)とアンナ(ロミー・シュナイダー)。
ナチスの脅威から逃れようとする列車の中だけれど、2人が感情を高ぶらせることはない。
2人のアップが繰り返し現れる。
もちろん大袈裟に表情を作ることもないし、セリフも非常に少ない。
映画界で言うところの「アップに耐えられる顔」。
本当の意味で美しい2人の顔。
「イケメン」などという言葉などとは遥か次元の違う美しさだ。
映像の中に映っている2人の顔からどこまでも底なしの歴史が見える。