ぼくは天使の美術が大好きだから、こんな質問もしてみた。
「じゃ天使はどう?天使はいると思う?」
「それは要するに幽霊と同じなんだ」
「え、幽霊?」
「つまり幽霊は怖いもの。怖い感じのが出たら幽霊だと思うだろ、普通」
「まあね」
「天使は逆。きれいで優しそうなのが天使。もとは同じものなんじゃないかな」
「ああ、なるほどね」

ぼくは残念ながら幽霊や天使を「完璧」に信じるほど素朴ではないのだけれど、「いるかもしれない」ということなら信じることができる。
そして「天使がいるかもしれない」と信じて生きる方がずっと豊かだということも信じている。