ある日、家のガレージへ車で帰りついた。
コンクリートの上に蝉の抜け殻が落ちている。
でも次の瞬間、それは「抜け殻」ではないということが分かった。
殻に蝉そのものもくっついている。
羽化の途中で力尽きたのだろうか。
そう言えば羽の色が薄い気もする。
靴で少し触ってみた。
蝉は足を少しだけ動かしたけれど、飛んで行けそうな気配もない。