ロシアンティーを傾けながら新聞を読むスヴェトラーナ。

「台風一過だね、スヴェトラーナ!」
「油断大敵、柿本人麻呂よ、アルベール!」
「なかなかの一家言だね、スヴェトラーナ」
「わたしってけっこう一言居士なの、知らなかった?」
「そしておちゃっぴいでもある」
「まあ!わたしのことをわたし以上に知っているのがあなた、アルベールなのね!」
「ところでそれはル・モンドだね」
「そう、フランスの高級紙よ」
「君以上に高級な存在はありえないよ、スヴェトラーナ!」
「あら、わたしたちの間におべんちゃらなんて必要ないわ」
「これはおべんちゃらなんかじゃない。愛がそう言わしてるのさ!」
「まあ!あなたって底抜けのロマンティストなのね、アルベール!」
「底抜け底抜けアルベールが通る、なんてね!」
「おかしな人、でも世界で最高の素敵な人よ、アルベール!」