2011年2月21日夜。他に何をしていたかよく覚えていないけれど、ぼくは急にかつて聴いていた音楽を聴きたくなったというか、観て聴きたくなったというか。当然のことがかつて「奇跡」だった。今は「奇跡」が当然のことのように行われる。しかもネット環境さえ整っていれば「無料」で。
ぼくはまずリンダ・ロンシュタットを観て聴いた。YOU TUBEにはたっぷりのリンダ・ロンシュタットが格納されている。中でも70年代後半のリンダは、現在のどんなポピュラーシンガーとも比べられないほど素晴らしい。名曲ばかりでどれを観て聴くべきか迷ってしまうほどだ。特に「ルーズ・アゲイン」と「ブルー・バイユー」は傑作中の傑作だ。重量を保ちながらも伸びやかな声、美しいメロディ、必要最低限に削ったアレンジ。そして溢れだすロマンティシズム。