エマーソン・レイク&パーマーの「展覧会の絵」を音だけで聴いた時、いったいどれだけの巨大な空間で演奏しているのかと想像は果てしなく広がった。初めて「展覧会の絵」を聴いてからずいぶんと年月を経た後、初めてEL&Pがプレイする映像を観たとき、「こんな狭苦しいステージでやっていたのか」と驚愕した。しかもたった3人であれだけの音空間を創っていたのだ、そりゃあムソルグスキーの原曲があるとは言え。キース・エマーソンの「バカっぷり」は活字メディアでも十分伝わって来たし、シンセサイザーの上をジャンボ鶴田ばりのひらりと跳んでいるの写真も
「これがロックだ!ロックでしかない!」というだけのインパクトは十分。無駄なことをたっぷりやって見せるのもロックだ。そして遂にキース・エマーソンの映像を観てみると、ギラギララメのジャケット下の上半身は裸体だ、もちろんボタンなど一つも留めるものか。
観客をねめつける、重いシンセをブンブン揺さぶる、しかしメチャメチャやっているようで「キエフの大門」はきちんと「キエフの大門」になっているという、無茶苦茶だけど実は「ちゃんとやっている」という涙ぐましさもロックだ!