東日本大震災後の日本は社会的に「自粛」圧力が生まれ、いやがおうにも多くの催しを自粛せざるを得ない空気が醸成されたが、現在はその揺り戻しのように「自粛すべきでない」という空気が強くなりつつあるようだ。
日本はご存じのように「全体がどちらかに流れる」ことが多く、現在の流れでは「自粛は愚だ」という社会的雰囲気ができるのは時間の問題のような気がする。
けれど「自粛と非自粛」は「どちらがいい」と単純に決められるものではないような気がするが、どうだろうか。つまりケースバイケースである。
もちろん社会的にいつまでも「自粛」しているのは日本全体、つまり被災地の方々などにとってもよくないことであるのは分かる。
ここでしっかり考えたいのは、震災の前後を問わず、もともと「必要ない」というよりも、どちらかと言えば「無駄」だったものは復活させる必要はないということだ。
文化、芸術は「無駄」から生まれるという側面もあるが、日本には文化、芸術の価値を失墜させる「無駄」が多過ぎはしなかったか。