ロバート・ゲラー。
と言っても知っている人は滅多にいるまい。
わたしももちろん知らなかった、ある新聞記事を読むまでは。
ロバート・ゲラーは東大教授で地震学者だ。
そのゲラーが英科学誌「ネイチャー」電子版に寄稿したわけだけれど、その内容に「地震予知に対する疑義」があったのだという。
実はわたしも前々から思っていて、あるいは多くの人も感じていたのかもしれないが、例えば「この地域に、50年以内に大地震があるかもしれない」などという「地震予知」などほとんど無意味ではないか。
そんなこと地震学者が研究して発表しなくとも分かりきったことなのだ。
日本に住んでいればどこだって「50年以内に大地震があるかもしれない」だろう。
せめて「3年以内に90%の確率で」などというのであればまた話は別だけれど、「50年以内に大地震があるかもしれない」などという「予知」は、30歳の人間に「あなたは50年以内に死ぬかもしれない」と言うのとあまり変わらない気がする。
「そりゃそうかもしれないけど・・」の世界である。