そう、ぼくの気分は一気に悪くなったんだ、その日、そのスーパーで。

バシューン!

バシューン?

スーパーで突如聞こえたこの音。
神経を逆なでされる音。
ぼくは振り向いた。
ジャリだ!
ガキと言い換えてもいい。就学よりかなり前の年齢だろう。
何かを投げている。
丸いものだけれど、スーパーの売り物であるのは間違いない。
その後ろをやや年配の夫婦らしい男女が付いて歩いている。
おそらくそのジャリの祖父母だ。
目の前で孫が店の売り物を投げているのにしかったりしようという様子はない。
ジャリは何度も商品を床に叩き付ける。
その後を歩く祖父母らしい男女は、まるでジャリに対してお追従笑いを浮かべるように付いて行く。