映画「ザ・ファイター」で圧巻はもちろんクリスチャン・ベールの演技だ。「マシニスト」ほどではないにしても派手に減量をして、歯並びも変えたというだけでなく、役に対する没入度もこれまでにない迫力だ。ところがここまでやっても「社会的インパクト」「シーンに対するインパクト」がさほどの感じがしないのは、つまり「レイジング・ブル」という映画が大きく聳え立っているからに他ならない。「ザ・ファイター」のパンフレッドでもところどころで「レイジング・ブル」の名前が取り上げられている。5000メートルの山は凄いが、1万メートルの山があるとさほど目立たない。

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