映画「ザ・ファイター」でオスカー助演男女優賞をクリスチャン・ベール、メリッサ・レオがさらったように、この作品は俳優たちの魂のこもった演技によって支えられている。「映画通」とされる人たちの一部で、「俳優の熱演なんていらない・・」と主張する人もいるが、これもまた偏った見方で、見当外れの熱演は困るけれど、作品のクオリティを高める熱演は、観る者の魂の熱を上げ、揺さぶる。ところで「ザ・ファイター」の中でとりわけ印象深かったのが、同じくオスカー助演女優賞にノミネートされながら、メリッサ・レオに受賞を譲ったエイミー・アダムスの演技。クリスチャン・ベールにその劣等感をつかれるところ。