君を想いながらぼくはコーヒーを少しだけ流しこむ、社会改革を想いながらぼくはコーヒーを少しだけ流しこむ、「延期」などという中途半端な発表が成された8月のニコラ・ル・リッシュを想いながらぼくはコーヒーを少しだけ流しこむ。歌うように踊るように映画への、闘う映画人への愛の言葉を大気の中へと投げかけた麗しきメラニー・ロランを想いながらぼくはコーヒーを少しだけ流しこむ。

メラニー・ロランはとっても理知的に見えるよ。
と、ぼく。

メラニー・ロランは名声など求めているのではないよ。映画を愛しているんだ。だから映画はメラニー・ロランを愛する。

と、パリジャン フェノン。

なんという素晴らしい言葉だろう。フェノンが思いついたのか、何かにそう記されていたのか、それは知らないけれど。


メラニー・ロランは映画を愛している。だから映画はメラニー・ロランを愛す。