空調の利いた室内に台風の湿度は入って来ない。
窓の外を見ると、それでも不穏な風は街路樹を揺らしている。
強くはないけれど、明らかに尋常ではない力で。
そんな風も建物の中へは入って来ない。
君の姿を見ながら、ぼくの心は「無償の愛」という言葉を組み立てようとする。