「へえ、娘さんたちもレディー・ガガの大ファンなんだ」
「もう夢中だよ」
フェノンには娘さんが二人いる。フェノンは今日本に住んでいるけれど、娘さんたちはフランスだ。
そして彼女たちの絶対的アイドルはフランス人ではなくて、レディー・ガガだという。
「でもこの間レディー・ガガのインタヴューを読んだけれど・・」
へえ。
「レディー・ガガは馬鹿じゃない。それどころか、ミュージシャンのあんなインタヴューは初めて読んだ」
「あんな?」
「レディー・ガガははっきりと言うんだ。マイノリティ擁護、核反対、その他もろもろ」
そうした発言はぼくも知っている。それよりもフェノンでさえレディー・ガガを無視できないという話が凄いと思った。かつて熱心なロックファンだったフェノンだけれど、今ではもっぱらジャズ。「ロックのクリエイティヴィティはとっくに終わっている」というのが彼の強い持論なのだ。
そんなフェノンがレディー・ガガの「存在」にため息をつきながら感服している。