昨今「フェチ」などと略されるが、つまりフェティシズム。多かれ少なかれ持っているのが普通だろう。
「物神崇拝」と訳されるフェティシズムだけれど、原始的でありながら高度に文明的でもある。しかし高じ過ぎると「変態」のそしりを受けてしまうこともある。
で、世の中に「喪服」を着用した女性に対するフェティシズムを持った男性が少なからずいるようだが、わたしはそのような嗜好は特にない。(笑)
特にないけれど(笑)、最近(これはなかなか)と感心した(?)のが井筒和幸監督作「ヒーローショー」の中で見ることのできたちすんの喪服姿。
「ヒーローショー」は作品自体もなかなかおおしろく、「どこへ到着するか分からない」ストーリー展開に2時間以上ぐいぐい引っ張られる。
ちすんは「元の夫」の葬儀シーンで喪服姿を披露するわけだが、抜群のプロポーション、整っているけれど派手さのない顔立ちなど、見事なまでに喪服を着こなしていたわけなのだ。
と、このような背徳的快感に浸ることができるのも人間の文明というものである。