映画「神様のカルテ」はさすが深川栄洋監督作らしく見どころ十分の内容だった。節度をきっちり守った上で涙を誘うシーンが随所に見られ心地よく鑑賞できる。
大雑把に言えば「節度」が守られているかどうかが「お粗末なお涙頂戴映画」と「上質の涙を誘う映画」の双方を区分けする。もちろん涙を一切誘わないで強烈な感動を与えられる映画も数多い。
「上質の涙を誘う映画」か・・・。
例えば「イングリッシュ・ペイシェント」などは「(最も)上質の涙を誘う映画」と言えるかもしれない。もちろんあの作品は「涙」以外にもありとあらゆる映画的見どころが詰まっていたので「涙」を強調する必要もないけれど。
「神様のカルテ」はだいたい展開が先読みできます。できるけれど、描き方が絶妙だから抵抗なく楽しむことができる。でもこの映画の本当の見どころは「涙を誘われる」シーンではないですけどね。